ヴァンヌーボ?アート紙?高級感のある印刷用紙をわかりやすく分類してみた

製品情報

「高級感のある紙を使いたい」

そんな風に言われたことはありませんか?

しかし、高級感の捉え方は千差万別。デザインの雰囲気によって求められるものが変わってくるのが難しいところです。エッジの効いたデザインのパンフレットと温かみのあるデザインのパンフレットでは、ふさわしい紙質は異なりますよね。

さらに紙の種類は膨大で、どれを選べばいいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、一般的に高級感がある紙として扱われているものを分類し、目的に合った紙が選べるようにチャートを作成してみました。

ご参考にしていただければ幸いです。

高級感のある紙の選び方チャート

それでは早速、チャートをご覧ください!

高級感のある紙の選び方チャート

※あくまでも当社が考える分類・チャートであり、パンフレットやフライヤーといった平面の印刷物を作るときを想定したものになります。スペースの関係上、簡素化しており、全てのケースを網羅しているわけではありません。

今回のチャートではゴールを6種類に設定しました。それでは1つ1つ、詳しくみていきましょう。

【アート紙】

OK金藤+
OK金藤+

色の再現性重視で、とにかく光沢がほしいときにおすすめなのが、アート紙です。

コート紙が20/㎡g前後の塗工量なのに対し、アート紙は40g/㎡前後塗工しています。塗工量が多い分、紙面の光沢感が強く、インキの発色も良いのが特徴です。

コート紙と同じようにアート紙もグレード分けされており、通常のアート紙をA1、A1よりもさらに塗工量が多く、白色度も高い銘柄をA0と呼びます。

今回のチャートでは紙面も印刷面も光沢がある「グロス」のアート紙を想定していますが、紙面の光沢は抑えつつも印刷面はグロスが出る「ダル」、紙面も印刷面も光沢感のない「マット」もあります。

色の再現性が高く、紙全体がきらめくアート紙は、車やハイジュエリーのカタログなど、光沢感が生きる制作物に向いています。

【主な銘柄】
・SA金藤+(A0)
・OK金藤+(A1)
・サテン金藤N(A1 ダル) 
・ハイマッキンレーシリーズ

【ラフ・グロス系】

ヴァンヌーボV
ヴァンヌーボV

色の再現性重視で、紙にラフな風合いが欲しいときは、ラフ・グロス系を選びましょう。

本来、紙の表面は平滑な方が印刷の仕上がりは良くなります。そんな中で、紙の風合いを残しつつも鮮やかに印刷できる紙がヴァンヌーボシリーズをはじめとするラフ・グロス系の紙です。
(※ラフ・グロスは(株)竹尾の登録商標です。)

ラフ・グロス系の優しい手触りは、「上品」という言葉が似合います。
高級ホテルのパンフレットや結婚式のペーパーアイテムなど、ラグジュアリーな雰囲気が欲しい制作物にぴったりです。

【主な銘柄】
・ヴァンヌーボシリーズ
・Mr.B
・ミセスB-F
・エアラス

ラフ・グロスに似た系統の紙として、ハイアピスNEO(F)という紙もあります。
触るとふんわりとしたソフトな風合いですが、印刷面はしっかりとグロス感が出ます。
抄紙と塗工を同じラインで行っているためにコストが抑えられている点も魅力です。当社でも人気のある商品の1つです。

ハイアピスNEO(F)
ハイアピスNEO(F)

ハイアピスNEO(F)については、以前の記事でも特集しております。

ラフ・グロス系の紙についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ下記の記事をご覧ください。

【高級印刷用紙】

エスティムNS
エスティムNS

ラフ・グロスよりは風合いもしくは印刷再現性がやや落ちるものの、コート紙やアート紙に比べると手触りを感じる「中間」の紙です。価格帯も中間ですので、紙代の負担が多くなるページ数が多い冊子などに向いています。

嵩高(軽くて厚みがある)な銘柄が多いので、図録や写真集の本文にも最適です。

【主な銘柄】
・エスティムNS
・MTA+-FS

【エンボス系】

タント
タント(エンボスで模様がつけられた紙)

色の再現性よりも紙の風合いを重視したい、特に紙自体に模様がほしいときはエンボス系の紙が良いでしょう。

金属ロールで模様をつけるエンボス紙のほか、毛布で模様を転写するフェルトマークという技法で作られた紙もあります。
一般的にはエンボスの方が模様の主張が強く、フェルトマークは柔らかい雰囲気です。

パンフレットの場合、本文はコート紙でも、表紙をエンボス系の紙にするだけで一気に存在感が増します。色数が豊富な銘柄も多いので、白以外の色を使うのも良いですね。

また、和菓子やギフト向けのお菓子のしおりなどにもよく使われています。

【主な銘柄】
・タント
・マーメイド
・五感紙

マーメイド
マーメイド(フェルトマークで模様がつけられた紙)

【非塗工ラフ系】

アラベール
アラベール

ラフな風合いは欲しいけれど、紙自体はプレーンなものがいい……。そんなときは、非塗工ラフ系の紙がおすすめです。

塗工していない分、インキは沈みますが、手触りがありナチュラルな雰囲気に仕上がります。厚手の紙は活版印刷にも相性が良く、活版印刷では塗工紙よりも非塗工紙が採用されることが多くなっています。

イラスト主体で優しい雰囲気が欲しい印刷物や、手触りが個性の1つになる名刺やショップカードなどに合うでしょう。

【主な銘柄】
・アラベール‐FS
・A‐プラン
・グラフィーCoC

【非塗工スムース系】

マシュマロCoC
マシュマロCoC

上質紙よりも平滑度が高く、オンデマンド印刷にも最適な紙です。名刺や卒業証書、賞状といった、小ロットの印刷で高級感が欲しいときに活躍します。

【主な銘柄】
・マシュマロCoC
・PHO

【その他】

b7トラネクスト
b7トラネクスト

今回のチャートには入れられませんでしたが、嵩高微塗工紙のb7トラネクストも人気です。

微塗工紙は塗工量が20g/㎡以下で、コート紙よりも塗工量が少ない分、紙の質感が残っています。さらにb7トラネクストは嵩高のため、コート紙を使うよりも軽くて厚い冊子が作れます。
図録や写真集の本文など、質感重視で軽い印刷物を作りたいときにおすすめです。

b7トラネクストとマットコートの使い分けについては、下記の記事で特集しております。

まとめ

いかがだったでしょうか?
今後の紙選びの参考にしていただければ幸いです。

実は、キャストコートや塗工されたエンボス紙など、チャートには入れられなかったケースがたくさんあります。
迷ったときは当社にご相談いただければ、制作物の雰囲気に合った最適な紙をご提案いたします。
お気軽にお問い合わせください!

関連記事

最近の記事

一覧ページへ戻る

Contactお問い合わせ

お困りごとがございましたら、お問い合わせ下さい。
下記お問い合わせフォーム以外にもお電話やFAXでも
お問い合わせを承っております。
お問い合わせをする