敷島製パンと共同開発!パンの粉から生まれたサステナブルな紙『パンの紙』

プレスリリース

この度、敷島製パン株式会社様(以下、Pasco)と共同で、食パンをカットする際に生じる「パンの粉」をアップサイクルしたサステナブルな紙『パンの紙』を開発いたしました。
本製品は、Pasco様が製作する「食パン型名刺」に採用され、2025年9月1日(月)より試用が開始されます。ペーパルは本取り組みを通じ、未利用資源の新たな活用方法を提案し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

1. 開発の背景

これまで当社は、製造工程で発生する野菜や果物などの副産物から紙を開発する事業を通じて、循環型社会の実現に貢献してきました。今回の開発は、2023年11月にPascoの研究開発ご担当者様から、食パン製造時に出るパンの粉の新たな活用法についてご相談をいただいたことから始まりました。通常は飼料などにリサイクルされる素材を、紙としてアップサイクルするという先進的な構想に共感し、共同開発に着手しました。

「食パンをカットする際に生じるパンの粉」

2. 開発プロセス:1年半にわたる試行錯誤

パンの主成分である小麦は、水分を含むと強い粘性を持つため、紙にするのが技術的に非常に難しい素材でした。開発初期段階では、パンの粉が製紙機械に付着し、安定生産が困難な状況が続きました。
この課題を乗り越えるため、当社が独自に持つ、米を接着剤として紙の原料にするノウハウを活用し、度重なる調整を重ねました。
当初は印刷適性を確実にするため「三層抄き」での試作を行いましたが、パンのような素朴な風合いが失われてしまうという問題に直面しました。私たちが目指したのは、パンの痕跡が残る温かみのある手触りと、美しい印刷を両立させること。
そこで、より難易度の高い「一層抄き」での開発に挑戦しました。荒々しい表面を残しつつ、印刷加工も可能にするという、相反する課題を解決するために試行錯誤を重ねること約1年半。ついに理想の『パンの紙』が完成しました。

3. 『パンの紙』の主な特徴

  • 特徴: Pasco様の主力商品「超熟」などの製造工程で発生するパンの粉をアップサイクル。印刷適性を考慮し、2~3%配合していますが、「一層抄き」で製造することで、パンの粉が表面にしっかり見えるように仕上げました。
  • 風合い: パンのような素朴で温かみのある風合いを再現。触れると柔らかさを感じられる、これまでにない紙です。

4. 3社の協業による「食パン型名刺」の誕生

今回開発した『パンの紙』の初の実用例として、Pasco様の「食パン型名刺」が誕生しました。この名刺の印刷および特殊な形状への加工は、サイバーネット様にご担当いただきました。
当社、Pasco様、サイバーネット様の3社の技術と知見を融合させることで、『パンの紙』の素材感を活かした、ユニークで温かみのある名刺が完成しました。

「食パン型名刺」

5. 各社コメント

■ 敷島製パン(Pasco) ご担当者様 「研究開発担当者の熱い想いを引き継ぎ、名刺に仕上げるまでの過程に携わりました。印刷品質を担保しつつもパンの温かみを残した紙づくり、形状やデザインなどのこだわりを詰め込んだ名刺づくり。弊社の想いに応えてくださった皆様に心より感謝しています。この名刺を受け取った方がニコッと微笑んで、弊社の取り組みに関心を寄せてくださったら、大変嬉しく思います。」

■ サイバーネット ご担当者様 「初めてお話を伺った際には、非常に難易度の高い印刷になると感じました。しかし、名刺印刷のリーディングカンパニーとして培ってきたノウハウを最大限に活かし、Pasco様がご希望された『パン型の型抜き』や『パンの紙』への印刷を、無事に実現することができました。これからも、『お客様の想いをカタチにする名刺づくり』に挑み続けてまいります。」 サービスサイト:https://printbahn.com/

■ 当社 開発責任者 長谷川 敦士 「Pasco様からの一通のメールから始まったこの挑戦は、困難の連続でした。しかし、ご担当者様の熱意に支えられ、当社の技術を結集することで、こうして『パンの紙』として形にできたことを誇りに思います。今後も様々な未利用資源の可能性を追求してまいります。」

6. 今後の展望

ペーパルは今後、『パンの紙』を名刺用途に留まらず、さまざまな未利用資源から新たな価値を創造し、企業や社会の課題解決に貢献していきます。

7. 会社概要

株式会社ペーパルについて
1890年(明治23年)に奈良で創業して以来、135年にわたり紙の販売を通じて日本の紙文化を支えています。2008年にFSC®/COCを取得して以来、「紙」という循環可能な素材を社会に提供し、啓発活動を行うことで、SDGsへの取り組みを推進。2020年4月からは「フードロスペーパー」の開発プロジェクトを立ち上げ、『kome-kami』や『クラフトビールペーパー』など、様々な素材をアップサイクルした紙を開発しています。
2023年には、森林のカーボンクレジットのみでオフセットした『ゼロCO2ペーパー』を発売し、日本の林業を応援する取り組みも行っています。2025年には50トンをオフセット達成。新展開としてCO2実質ゼロのパッケージ用紙『GXアイボリー片面-FS』も発売しました。

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