「アイボリー」「カード」とは? 板紙の分類を徹底解説!

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「アイボリー」という言葉を聞いて、一番に思い浮かぶものは何ですか?

多くの方が、「象牙のような少し黄みがかった白色」を思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、パッケージに詳しい方なら「白い板紙」が思い浮かんだはず!

実は、「アイボリー」はパッケージに使われる高級板紙の一種を指す言葉でもあるのです。

板紙の分類はアイボリー以外にも「マニラ」「ボール」など、一見紙には関係なさそうな単語が使われており、馴染みがないと少しわかりづらいかもしれません。

そこで、今回の記事ではアイボリーをはじめとする板紙の分類についてご紹介します。
パッケージ用紙をお探しの際に、参考にしていただければ幸いです。

高級感のある印刷用紙の分類記事はこちら

板紙とは

板紙とは、一言でいうと「厚い紙」です。

基本的には、多層抄きと呼ばれるパルプの層を重ねる製法で作られます。
ただし、単層抄き(1枚の層で紙を作る方法)でも厚い紙が作れないわけではありません。

また、JIS規格では「目的によっては坪量225g/㎡未満を紙、225g/㎡以上を板紙とみなすことがある」とされていますが、坪量225g/㎡未満で板紙と呼ばれる場合もありますし、225g/㎡以上で「紙」とされるケースもあり、一般的な印刷用紙と板紙の境界線は曖昧といえるでしょう。

板紙は、段ボール原紙・紙器用原紙・雑板紙の3種類に分類されます。

板紙の分類①

段ボール原紙はその名の通り、段ボールの素材となる厚紙です。
雑板紙は建材や紙管などに使われます。
この中の紙器用原紙がパッケージ用の厚紙で、当社でも多数の銘柄を取り扱っています。

紙器用原紙の分類

では、紙器用板紙にはどんな種類があるのでしょうか。

板紙の分類②

紙器用板紙は白板紙・黄板紙・チップボール色板紙の4つに分けられます。

黄板紙は、貼り箱や上製本の芯材として使われる黄色い板紙です。
チップボールは、全ての層に古紙を使用した両面ネズミ色の板紙で、こちらも貼り箱や上製本の表紙の芯材として使われます。
色板紙は、白板紙やチップボールに色をつけたもの。

そして今回の記事のメイン、白板紙は両面もしくは片面が白い板紙です。

白板紙の分類

まだまだ分類は続きます。
下記が白板紙の分類表です。

板紙の分類③

ここでようやく冒頭の「アイボリー」が出てきました!

白板紙が白ボールとマニラボールに分けられ、マニラボールが高級白板紙と特殊白板紙に分けられ、それぞれに「アイボリー」があるわけですね。

なかなか長い道のりでした。
この分類を全部覚える必要はありませんが、せっかくなので1つずつ簡単に説明していきましょう。

・白ボール

マルイコート(オモテ)
コートボール

表が白で裏がネズミ色の板紙です。
表面に塗工されているコートボール、塗工されていないノーコートボールに分けられます。

ちなみに、「ボール」はball(ボール)のことではなく、board(板)に由来しています。

マルイコート(裏面)
コートボールの裏面はネズミ色

【主な銘柄】
コートボール:マリコート-F、サンコートEM
ノーコートボール:S兼六ボールN、クリーンアップEM

・マニラボール

両面を晒化学パルプ、その他の層は古紙や機械パルプ、化学パルプなどを配合した板紙です。
つまり、両面が白色の板紙ということですね。

マニラとは、マニラ麻のこと。当初は強度を出すために繊維の長いマニラ麻を使用して製造していたことから、マニラボールと呼ばれるようになったようです。

マニラボールのうち、グレードが高いものは高級白板紙と呼ばれます。
高級白板紙のうち、片面塗工品の一部が食品や薬品の包装向けに低グレード化したものが特殊白板紙です。
特殊白板紙は蛍光染料を使用していないものがほとんどで、食品用パッケージによく使用されています。

【高級白板紙】
・ノーコートアイボリー/両面コートアイボリー

ボンアイボリー
ボンアイボリー

板紙における「アイボリー」は最高級品を意味します。
表層・中層・裏層すべての層に晒化学パルプを使用しており、印刷の再現性が高く、箔押しなどの加工にも適しています。

ノーコートアイボリーは非塗工品、両面コートアイボリーは両面塗工品です。

【主な銘柄】
ノーコートアイボリー:HSKアイボリーN、スノーアイボリー
両面コートアイボリー:ボンアイボリー+、パーフェクトW、アイベストWF

・ノーコートカード/両面コートカード

サンカード+
サンカード+

全層に古紙が入っていないアイボリーに対し、カードは中層に機械パルプや脱墨古紙などが使われています。そのため、アイボリーよりもやや低グレード品とされます。

ノーコートカードは非塗工品、両面コートカードは両面塗工品です。

【主な銘柄】
ノーコートカード:エクセルR、FKカード
両面コートカード:サンカード+、OKエルカード

【特殊白板紙】
・片面コートアイボリー

中層に古紙などを使用せず、バージンパルプのみで作られています。先述の通り、蛍光染料を使用していないため、食品のパッケージに最適です。
ナチュラルな雰囲気を出すために、あえて裏のノーコート面をオモテにしたパッケージ事例もあります。

GXアイボリー片面-FSのパッケージ見本
上:コート面がオモテ 下:ノーコート面をオモテ出し 紙:GXアイボリー片面-FS

先日、当社のゼロCO2ペーパーに新たなラインナップとして加わったGXアイボリー片面-FSも、片面コートアイボリーです。

GXアイボリー片面-FS
GXアイボリー片面-FS

ゼロCO2ペーパーは、紙を作る工程で発生するCO2の排出量をカーボンオフセットの仕組みを使って実質ゼロにした紙です。
紙を使うだけで気軽にSDGsに貢献できます。

ゼロCO2ペーパー、GX片面アイボリーーFSについては、下記のページをご覧ください!

【主な銘柄】
GXアイボリー片面-FS、NEWウルトラH、OKフレースPro

・カードA/カードB

JETエースW

片面コートカードは古紙が配合されているもので、カードAとカードBに分けられます。

古紙配合率40%以上のカードAに対し、カードBはさらに古紙配合率が高く、その分価格も抑えられています。

カードBの方が表裏差が感じられ、裏面が白いコートボールといったイメージです。

【主な銘柄】
・カードA:ハイクリーンコート、NEWクリーンコートV
・カードB:NEWピジョン、NEW-DV-F、JETエースW

紙の質感を生かしたデザインをしたいときは

さて、ここまで板紙の分類について詳しくご説明してきましたが、この分類表に当てはまらないパッケージ用紙もあります。

それが、ラフな質感を持つラフ系パッケージ用紙です。

商品によっては、紙本来の手触りを生かしたナチュラルな雰囲気のパッケージを作りたいですよね。
しかし、アイボリーやカードはツルツルとした質感であまり風合いがありません。
そんなときは、ラフタクトーFSをはじめとした手触りのある質感が特徴のラフ系パッケージ用紙を選ぶと良いでしょう。

ラフタクト‐FSのパッケージサンプル
ラフタクトーFSのパッケージサンプル

ラフタクトーFSは、塗工していない無垢な質感が自然な温もりを感じさせる、新しいパッケージ用紙です。

ラフタクトーFSの他にも、当社はさまざまなラフ系パッケージ用紙を扱っております。
下記の記事で9種類のラフ系パッケージ用紙を紹介していますので、あわせてご覧ください!

まとめ

いかがだったでしょうか?

板紙の分類は少しややこしいですが、最もわかりにくいアイボリーとカードの違いを簡単にまとめると、

・アイボリー=古紙が配合されていない高級品
・カード=機械パルプや古紙が配合されている

ということになります。
ラフ系パッケージ用紙は、アイボリーよりもさらに高級品という位置づけです。

もしも「どんな板紙を使ったらいいかわからない」「作りたいパッケージに合う板紙を教えてほしい」などがございましたら、ぜひ当社にご相談ください
最適な板紙をご提案いたします!

※本ページの記載内容は、更新時点での情報になります。
最新の情報につきましては、メーカーHPをご確認いただくか、当社までお問い合わせください。

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