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CO2を使ったノート用紙「カーボペーパー」ってどんな紙? 特徴と魅力を詳しく解説!
GXアイボリー片面-FS、ラフタクト-FSと新商品の発売が続いている当社ですが、2025年6月27日に、さらに新しい紙を発表しました。
その紙の名は、カーボペーパー。

世界初(※)、紙の内部と表面にCO2を「使った」ノート用紙です。
今回、2025年7月2日から6日まで、大阪・関西万博での先行展示も決まりました。
この記事では、カーボペーパーの特徴と魅力をわかりやすく解説します!
※世界初:当社調べ(2025年6月時点)。カーボンリサイクル技術を用いてCO₂を固定化した炭酸カルシウムを、紙の表面と内部双方に実用レベルの筆記性能を両立する形で使用した紙製品において。
紙にCO2を「使う」とは?
紙の原料といえばパルプですが、実際はパルプだけで紙ができあがるわけではありません。
「にじみを防ぐ」「紙の強度を上げる」「白色度を高める」などの目的で、必要に応じてさまざまな薬品が使われています。
そのうちの1つが、炭酸カルシウム。
紙の平滑度を上げたり、印刷時のインキの裏抜けを防ぐといった役割があります。
一般的な炭酸カルシウムは、石灰石を高温で焼き上げることで作られます。
一方、カーボペーパーに使われている炭酸カルシウムは、「再資源化人工炭酸カルシウム」と呼ばれるもの。これは、CO2をカルシウムを含む産業副産物と反応させ、鉱物(カルシウム)内に閉じ込めた炭酸カルシウムです。
本来なら大気に排出されるはずだったCO2を閉じ込めて固定化でき、CO2削減につながります。さらに高温で焼かずに製造できるため、製造時のCO2も減らせる点も大きなメリットです。
カーボライトは、この再資源化人口炭酸カルシウム(以下、CO2活用炭カル)を紙に混ぜ込み、さらに紙の表面に塗工しました。
実はこのCO2活用炭カルを紙の表面に「塗る」というのは、世界初。
最初は思い通りに紙に塗ることすら難しい状況でしたが、何度もテストを重ね、実用化に成功しました。
CO2を排出するのではなく、「使う」時代へ。
カーボペーパーは脱炭素の最先端を走る紙なのです。
実際にどのくらいのCO2が削減できるの?
では、実際にカーボペーパーを使うことで、どのくらいのCO2が削減できるのでしょうか?
CO2活用炭カルは、製造時に高温で焼き上げる必要がない分、CO2が大幅に削減できます。
およそ1トンの紙を生産したときに、削減できるCO2の量は、約97㎏。
これは、約11本の杉が1年間に吸収するCO2と同等の量です。

続いて、紙に固定化できるCO2の量は、1トンあたり約33㎏。
杉の木に換算すると、約3.8本分が1年間に吸収する量となります。
数値について:数値は生産条件等によって変動する可能性があり、保証値ではありません。CO₂の算出に関するLCA(ライフサイクルアセスメント)試算は、GreenCarbon株式会社が実施しました。
個人でCO2を削減するのは、なかなか難しい部分もあります。
たとえば、クーラー。
消費電力が大きく、CO2の排出量も多い家電です。
しかし、昔はクーラーをつけずに過ごせる日も少なくありませんでしたが、ここ数年の夏は、クーラーを使わずに過ごすことは命の危険につながります。
カーボペーパーなら、紙を使うだけでCO2削減に貢献できます。
無理せず負担なく、脱炭素社会を目指しませんか。
理想の書き心地を実現!脱炭素だけではない、カーボペーパーの魅力
カーボペーパーの魅力は、環境への配慮だけではありません。
開発にあたり、高品質なノートを世に送り出している大栗紙工株式会社と文具ソムリエの石津大さんの協力のもと、「理想の書き心地」を実現しました。
理想の書き心地とは、「さらさらした質感」「にじまない」「裏抜けしない」こと。
CO2活用炭カルの表面塗工と内部配合のバランスを変えながら何度もテストし、失敗を繰り返しながら最適な条件を探っていきました。
カーボペーパーの開発ストーリーについては、下記のページに詳しく書いておりますので、ぜひご覧ください。
そうしてできあがった紙が、こちら。

万年筆やボールペンなど、どんな筆記具でもなめらかな書き心地を体感いただける紙が完成しました。
実際にボールペンで書いてみた
今回、最も身近な筆記用具の1つ、ボールペンで試し書きしてみました。
使用したボールペンは、ジェットストリームです。

ひっかかりがなく、するするとペン先が滑っていくので、ノーストレスで筆記できます。
書くときに抵抗がないので、書いていて疲れない点も魅力です。
裏面を見てみると、特に裏抜けはみられません。

ノートや手帳、メモ帳などに問題なくご使用いただけます。
カーボペーパーの今後の展開は?
今秋、大栗紙工株式会社のノートブランド「OGUNO」シリーズより、新製品として発売予定です。
また、大阪・関西万博での先行展示が決定しました!
期間:2025年7月2日(水)- 6日(日) 10時-20時(最終日は12時まで)
場所:EXPOホール「WASSE」「第3回日本国際芸術祭/大阪・関西万博展」内
D-16「ステーショナリーマーケット」内「大栗紙工ブース」
内容:「カーボペーパー(ライト)」技術および開発ストーリーの展示、ノート製品の先行展示・販売
7月2日(水)12時-18時は、代表がブースに立っております。(別日程でもご取材いただけますのでご連絡ください)
短い期間ではありますが、よろしければぜひお立ち寄りください。
また、今後はカーボペーパー技術を応用した環境配慮型パッケージ用紙を始め、新たな商品開発も進めています。今後の展開にもご期待ください!
さいごに
今回、当社が新たに発表したカーボペーパーは、使うだけでCO2削減に貢献できる「環境性能」と理想の書き心地を実現した「筆記適性」を両立させた最先端の紙です。
当社では、脱炭素に貢献できる紙として、カーボペーパー以外に、CO2の排出量を実質ゼロにしたゼロCO2ペーパーもご用意しています。
上質紙やコート紙、マットコート、パッケージ用紙でCO2削減につながる商品をお求めの方は、ゼロCO2ペーパーをご検討いただけますと幸いです。
ご興味を持たれました方は、お気軽にお問い合わせください!
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