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「JAGDA HYOGO フムフム」にて、当社の取り組みについてお話しました!
2025年9月12日、JAGDA兵庫地区さんの勉強会「フムフム」にて、当社の矢田がお話しさせていただきました!

JAGDA兵庫地区は、JAGDA(公益社団法人日本グラフィックデザイン協会)の兵庫地区に所属するデザイナーの皆様で構成されています。
「JAGDA HYOGO フムフム」は、さまざまな分野のクリエイターや企業からクリエイティブにまつわる話を聞きながらフムフムと学びあえる場として、2018年から開催されているそうです。
JAGDA会員のほか、紹介があれば会員以外のデザイナーさんも参加できます。
この度、ご縁がありまして8回目のゲストとしてお呼びいただき、当社の取り組みや商品についてお話ししてきました。
当日は平日昼間の開催にも関わらず、なんと16名もの方が参加してくださいました!
うち、半数の方はJAGDA会員ではない方ということで、兵庫のデザイナーさんがこの日のために足を運んでくださったと思うと、とても嬉しく思います。
その様子を簡単にレポートします。

つづく、紙
今回の勉強会のテーマは「つづく、紙」ということで、近年当社が力を入れているサスティナブルな取り組みを中心にお話ししました。
具体的には、
・kome-kami-FS(ナチュラル色)、kome-kami浮世絵ホワイト
・端材を利用したアップサイクル紙
・ゼロCO2ペーパー
・ラフタクトーFS
の4つの商品をご紹介。適宜、ご質問をいただきながら、和やかな雰囲気で進んでいきました。

笑顔こぼれる和やかな雰囲気、伝わりますでしょうか?
kome-kami-FS(ナチュラル色)とkome-kami浮世絵ホワイト

まず最初にご紹介したのは、食べられないお米で作られた紙、kome-kami-FS(ナチュラル色)とKome-kami浮世絵ホワイト。
加工や流通段階で発生する食べられないお米を活用し、紙に混ぜるだけでなく、紙の製造に必要な化学薬品もお米で置き換えた画期的な紙です。
昨今、ありがたいことに知名度が上がってきており、Kome-kami-FS(ナチュラル)は大阪・関西万博の紙製品にも採用されました。
その理由は、「日本のサスティナブル文化を世界に届けたい」という当社の思いに共感して、とのこと。
紙でサスティナブルな社会を描くことを目指している当社としては、大変嬉しい出来事でした。
今回ご参加くださったデザイナーさんの中にも、kome-kamiを知っていただいている方はもちろん、クライアントが使用しているとお話しくださる方もいらっしゃって、ありがたい限りです!
端材を利用したアップサイクル紙

お話しさせていただいた中で、最も反応をいただいたのが端材を利用したアップサイクル紙。
当社では、ニンジンやビールのモルト粕、お茶の出がらしといった本来廃棄されてしまう食品の端材を混ぜ込んだ紙を多数開発してきました。
当日は「混ぜるのに不向きな素材は何か?」「ペットの毛を混ぜ込んでみたらふわふわの紙になるのか?」「空き家を解体したあとの木材を使用した『実家ペーパー』は作れないか?」など、多くの質問や新しいアイデアが飛び交いました。
以前、ネギで紙を作ろうとした際に臭いが強すぎて作れなかった事例をお話したところ、「失敗の話こそわくわくする!」と言っていただく一幕も。

また、「端材は有償で引き取っているのか? それともいらないものだから無償提供なのか?」というご質問もいただきました。
当社では端材をごみとは考えず、「使いきれなかった資源」と考えています。
ですので、アップサイクルする原材料は無償ではなく、有価物として買い取っています。排出元の企業にとっては新たな売上につながる仕組みです。
最近では素材を炭にする技術が発達し、これまでリサイクルが難しかった素材も一旦炭にすることで、紙に混ぜ込むことができるようになりました。
今回いただいたアイデアも含め、今後もアップサイクル紙の可能性を追究していきます!
ゼロCO2ペーパー

紙を生産するときのCO2の排出量を実質ゼロにした紙、ゼロCO2ペーパー。
どうしても排出してしまうCO2などの温室効果ガス分を、他の温室効果ガスの削減活動に投資することで、排出量を実質ゼロとする「カーボンオフセット」の考え方で作られた紙です。
直近では、GXアイボリー片面-FSが新発売となり、パッケージ用紙のラインナップが増えました。
(詳細はゼロCO2ペーパーの公式ページをご覧ください)
実はゼロCO2ペーパーの目的は、CO2を削減することだけではありません。
温室効果ガスの取引は、国が認証したクレジット(J-クレジット)で行っているのですが、使用するクレジットは林業の取り組みによるものに限定しています。
つまり、ゼロCO2ペーパーを使うことは、日本の林業を応援することにもつながるのです。
現在、ゼロCO2ペーパーは奈良県吉野郡天川村のプロジェクトからCO2を調達していますが、年内には天川村のCO2だけでは足りなくなる見込みです。
今後は、他の地域の林業も応援していきたい旨をお話ししました。
実は今回、林業に関わりの深いデザイナーさんにもご参加いただいており、貴重な意見交換もさせていただきました。
ラフタクトーFS
最後にご紹介させていただいたのは、6月に発売した新しいパッケージ用紙、ラフタクトーFSです。
昨今、ギラギラした光沢紙の出荷量が年々減り、ラフな質感の紙の人気が高まっています。
しかし、既存のラフ系用紙は昨今の値上げの波を避けきれず高価に……。使いづらくなったとの声をいただくことがありました。
そこで、手ごろな価格で使えるラフ系パッケージ用紙として発売になったのが、ラフタクトーFSなのです。

ところで、コート紙を触るとき、実際に手が触れているのは「紙」といえるのでしょうか?
実際に触れるのは表面に塗られているコート剤にすぎず、紙本来の手触りとはかけ離れています。
そこで、「紙」自体に触れる良さを感じてもらうため、ラフタクトーFSは塗工を施しませんでした。
触ると、葉っぱが風にそよぐような優しい音がします。
ぜひ実際に触って、音に耳をすませていただきたい1枚です。
さいごに
質疑応答では、「紙の未来についてどう考えているのか」という質問もありました。
当日は、
「広告媒体としての紙のマーケットは年々縮小していくだろうと考えています。
しかし、パッケージ用途やアートに近いような、趣味を目的とした用途の紙は残り続けるのではないでしょうか。今後は、小ロットでも上記のようなニーズに応えられる紙を作っていきたい」
とお答えしました。
しかし、勉強会を終えて改めて思うことは、「紙の未来は決して暗いものではない」ということ。
なぜなら、参加してくださったデザイナーの皆様が大変熱心にお話しを聞いてくださり、前向きな意見をたくさんくださったからです。
まだまだ紙は活用いただける、そう確信しました。

紙は社会の課題解決に貢献できる素材です。
当社は、紙の可能性を広げる新素材の開発に、ますます力を入れていきたいと思います。
JAGDA兵庫地区の皆様、この度はありがとうございました!
当社は今後も、こういった勉強会を積極的に実施していきたいと考えています。
当社の話を聞きたい、意見交換をしたいといったご要望をお持ちのデザイナー・クリエイターの団体様がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせください!
記事内写真提供:LEADER 清水彬仁さん
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