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徹底解剖!高級感のある印刷用紙【エンボス系編】
せっかく作る印刷物。
多くの人の目に留まるように、「他のパンフレットよりも目立たせたい」といったニーズは少なくありませんよね。
また、記念誌や社史といった後世に残す印刷物の表紙は、質感にもこだわりたいもの。
そんなときにおすすめなのが、エンボス系の紙です。
紙自体に凹凸があるので、見た目で個性を出せるだけでなく、独特の手触りも得られます。
ただ種類が膨大で、どれを選べば良いか迷ってしまうのが悩みどころかもしれません。
今回の記事では、定番品に加えて印刷適性が高い銘柄もご紹介。また、エンボス系用紙の選び方のポイントや効果的な使い方も解説しますので、参考にしていただければ幸いです。
エンボス系の紙とは
以前の記事「ヴァンヌーボ?アート紙?高級感のある印刷用紙をわかりやすく分類してみた」内では、高級感のある印刷用紙を6種類ご紹介しました。
そのうちの1つ、紙自体に模様がある紙がエンボス系です。
エンボス紙とは、紙に金属のロールを押し付けて凹凸模様をつけたもの。
似たような質感の紙に、フェルトマークという技法で作られた紙もあります。プレスと呼ばれる紙の水分を蒸発させる工程で、模様のついたフェルトを用いて柄を転写します。
エンボス紙に比べて、柔らかい雰囲気になるのが特徴です。
どんな模様があるの?
エンボス系の最大の特徴である、「模様」。
いったいどんなものがあるのでしょうか?
答えは……多すぎて書ききれません!
各製紙メーカーから様々なエンボス系の紙が発売されていて、シンプルでさりげない柄からインパクト抜群の個性的なものまで多種多様です。

上記の写真に写っているのはほんの一部にすぎません。
この記事で全てのエンボス系の紙をご紹介するのは到底不可能なので、まずは定番品をご紹介しましょう。
エンボス系用紙の定番品
・タント

リーフレット、書籍、パッケージ、封筒…….。街中で見かけるといっても過言ではないエンボス紙の代表格です。
1987年の発売以来、長年支持されている人気の秘密は、デザインの邪魔をしないシンプルなエンボス柄と、色数の多さ。
そのラインナップはなんと200色です。

白(N-7、N-8、N-9)は、リーフレットやお菓子のしおりなど、フルカラーの印刷物にもよく使用されています。

・マーメイド

さざ波のような優しい風合いが特徴的な、日本で初めてフェルトマークで作られた紙です。
タント同様、色数が豊富で全60色あります。
画材として文房具店で販売されていることも多く、見た瞬間になつかしさを感じる方も多いのではないでしょうか。生活に溶け込んだ紙といえるでしょう。
・五感紙

五感紙はマーメイドに近い風合いですが、エンボスで作られています。
金属ロールを押し付けて模様をつけている分、フェルトマークのマーメイドに比べてやや模様の主張が強い印象です。
ちなみに写真の五感紙は、キラ加工が施された「純白キラ」という色。
パール調の輝きが更なる高級感を演出してくれます。

質感も発色も! 塗工されたエンボス系の紙
ほとんどのエンボス系の紙は非塗工紙で、インキが沈む傾向にあります。
しかし、なかには塗工紙にエンボスやフェルトマークで加工した紙も。
高い印刷再現性も独特の質感もどちらも欲しい!
そんな願いを叶える、塗工されたエンボス系の紙をいくつかご紹介します。
・OKミューズガリバーエクストラ/リラ/もみしぼ

ラフ・グロス系の紙に模様が施されており、高い印刷適性と独特の質感が両立しています。
エクストラはキャンバスを想起させる織物柄、リラは細やかな縞模様、もみしぼは手揉みの和紙のような風合いです。
印刷面はややマットで、上品な仕上がりになります。
・ジェントルS ロック/クロス

高級塗工印刷用紙の1つ、ジェントルS。プレーンなフェイスとホワイトフェイスに加えて、紙に表情があるロックとクロスがあります。
写真ではわかりにくいですが、ロックはやや凸凹とした質感、クロスはレイド模様です。
さりげない模様が、上品な雰囲気を演出します。
・T-EOSシリーズ プラチナホワイト

(株)竹尾のT-EOSシリーズは、ベースとなる紙にさまざまなエンボス柄を自由に組み合わせることができる商品です。
原紙は全50色用意されていますが、最も高白色なプラチナホワイトは微塗工品となっており、インキの発色が高められています。
写真はT-EOSシリーズの1つ、サガンGA。
砂岩をイメージした硬質なエンボス柄で、スタイリッシュな印象です。
エンボス系の紙を選ぶ際のポイント
ここまでご紹介した銘柄以外にも、さまざまな種類があるエンボス系の紙。
使いたい紙が決まっていれば良いですが、イメージに合うものを一から探すのは大変ですよね。
そこで、エンボス系の紙を選ぶ際のポイントをご紹介します。
・シンプル?インパクト重視?
エンボス系の模様は大きく2つに分けることができます。
1つはシンプルであまり主張が強くない模様。
もう1つは、個性的で見た目のインパクトが大きい模様です。


シンプルな模様はデザインの邪魔をせず、使いやすいですが、あまり差別化につながらない可能性も。一方、インパクトが大きい模様は目立ちますが、合うデザインが限られます。
制作物に適しているのはどちらの模様なのかイメージしてから探すと、目的に合った紙が見つかりやすいでしょう。
エンボス系用紙の効果的な使い方
革っぽい紙、布っぽい紙、壁っぽい紙……。
エンボス系は、他のマテリアルに近い質感を表現できる銘柄が多くあります。
たとえば、「本物の革をパンフレットの表紙にしたい」というアイデアがあっても、実際はコストがかかりすぎますし、実現は難しいですよね。
ですが、レザック66やレザック16といったレザー調のエンボス紙を使えば、革に近い質感が得られます。

表現したい質感のマテリアルが決まっている場合は、当社にご相談いただければ、最適な銘柄をご提案いたします。お気軽にお尋ねください!
まとめ
独特の質感で高級感を演出してくれるエンボスやフェルトマークの紙。
非塗工紙が多いですが、なかには塗工紙に模様が施された銘柄もあり、色の再現性が高められています。
また、革や布といった他のマテリアルに近い質感を得られるのもエンボス系の魅力の1つです。
ただ、種類が多いので目的に合うものを探すのが難しい面も。
迷った際には当社にご相談いただければ、最適な紙をご提案いたします。
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